2017年度 組織学会高宮賞審査報告

2017年6月17日、滋賀大学(彦根キャンパス)にて受賞者の発表ならびに授与式が行われました。

当日は、審査委員長の延岡健太郎氏より選考経過報告がなされた後、淺羽会長より受賞者へ表彰楯と記念品の贈呈、続いて受賞者のスピーチがありました。また、翌18日には受賞者セッションも行われました。

2017年度組織学会高宮賞 審査報告

審査委員長 :
延岡健太郎

担当評議員 :
高橋 伸夫
武石  彰
根来 龍之

担当幹事:
島本  実

本年度の組織学会高宮賞は、著書部門7点、論文部門7点と、例年以上に多くの候補作品がありました。審査委員長を含めて審査委員10人によって、それらの候補作に関して丁寧な審査を実施しました。具体的には、各候補作を4人が評価し評点を付与した上で、2017年3月27日に審査委員会を開催し、評価点の高いものを中心に議論した上で、受賞作品を決定しました。

審査結果として、著書部門は、清水洋氏(一橋大学イノベーション研究センター) の『ジェネラル・パーパス・テクノロジーのイノベーション:半導体レーザーの技術進化の日米比較』(有斐閣 2016年3月刊) 、論文部門については、山口真一氏(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター)の 「ネットワーク外部性の時間経過による効果減少と普及戦略:ゲーム産業の実証分析」 (『組織科学』第49巻第3号 2016年3月刊) に対して、本年度の組織学会高宮賞が授与されることになりました。受賞者の方々に、心よりお祝いを申し上げます。

著書部門の受賞作となった清水氏の著作は、半導体レーザー技術という汎用性の高いイノベーションについて、歴史的に50年間にわたる技術発展を詳細に調査し、発展パターンに関して日米比較を実施しています。米国のスピンアウトによる頻繁な起業は、活発な事業化という点では良いが、累積的な技術の積み重ねを阻害する可能性がある点を明らかにしています。学術的な理論への貢献も顕著であり、加えて、イノベーションの戦略や政策に対して重要な示唆を提示しています。これを明らかにするために、膨大な特許データや論文の検証だけでなく、アメリカ、イギリス、フランスなどを何度も訪問し、合計175回の聞き取り調査を実施しています。理論的にも実証的にも優れた研究です。

論文部門の受賞作となった山口氏の論文は、計量経済学の手法を使って、ネットワーク外部性の効果を定量的に測定し、「ネットワーク外部性は時間経過によって効果が減少する」という仮説を検証しました。具体的には、2つの携帯ゲーム機(ソニーPSPと任天堂DS)の、ハード売上台数とソフト売上本数についての8年間のデータをもとに、割引率を導入したプラットフォーム製品需要モデルと補完財投入モデルを用いて丹念な実証を行っています。本研究のアカデミックな貢献は、ネットワーク外部性の効果が時間的に劣化するモデルを構築して実証した点にあります。さらには、経営面の示唆として、プラットフォーム戦略では初期の普及戦略のみならず、その後の価格改定や製品改良なども重要であることを実証しました。

最後に、本年度も多くの優れた著書、論文を書かれた学会員、審査を担当された審査委員、さらには、担当評議員及び学会事務局の皆様に対して、この場を借りて改めてお礼を申し上げます。

審査委員長 延岡 健太郎

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